日本国内で電波時計の調時に成功したことが全くない。電波が弱すぎと言われているが・・・次に買うことがあれば、同じ値段で電波時計でないものを選ぶ。
WM-DD3の入手
WM-DD33は動くようになったけど、再生時にヘッドが上がらない症状がある。軸は固定したけど傾いているのか、抑えが効かないからなのか。PLAYボタンの押し方で回避する方法を見つけたが使う時に不安になる。無理して使うほどの機体ではなくなってしまった。
大腸ポリープ摘出で浮いたお金の使いどころとして、WM-D6Cの後期型を物色するも出物が少ないし、海外勢(代行業者)の活躍もあり高騰して手が出ない。シリアルNoで判断するしかないのだが隠してる出品者もいる(盗品なのか?と疑ってしまう)。eBayでも探してみるもドイツ出品の送料未定のものしか見当たらない。送料の問合せ等の手間をかけてまで欲しいのか?と言われると微妙である。
ヤフオクでWM-DD3が出たが(赤色だったのもあり)やはり値段高騰で手が出ない。本当はWM-DD30が欲しいのだが・・・というか、ヤフオクの落札額は決して高くないのか?という感想。やはり円安が厳しいのだろう。
eBayで物色するも税金が発生しない16666円以下のものは見つからない。とりあえず40k円前後のものをウォッチに入れていたら、値引きオファーが届く。少し悩んで購入することにした。結局、送料込みで38k円(PayPalで決算時に円払い選択したが、その直後に少し円高に振れたので失敗だった可能性あり、この辺はギャンブルなので仕方がない)。
オーディオ機器なので関税自体はかからないとは思うが、郵便局の配達時に消費税(と手数料)も徴収されなかった・・・なぜ?
後から督促状みたいなのが届くのは嫌である。税関時に開封してインボイスを確認しているので担当者が勘違いした可能性が高い?・・・ハンガリーから届いたものなので、インボイスのUS$表記を現地通貨(フォリント)と勘違いした可能性はあるが、それだと数百円になってしまう。
メンテナンス作業
到着即開腹。「動作するけどメンテナンス要」という物だったが・・・
- センターギア割れ ⇒ 交換(※1)
- ネジ違い(サービスマニュアル#71の3本中2本)⇒ 交換(※2)
- ネジ欠品(サービスマニュアル#74の2本)⇒ 補填(※2)
- ボリュームのネジに接着剤 or ネジロック ⇒ 清掃除去
- 電源SW、ボリューム、DCジャックの接点 ⇒ アルコール清掃
- 速度調整用(の名残の)開口部のカバー欠品 ⇒ 正体不明カバーを取付(※3)
- ネジ違い(サービスマニュアル#2の全4本)⇒ 交換
(※1)
センターギアは、誰がどうやって作ってるのか知らないが「光造形」というものをメルカリで購入(少し値下げしたタイミングで)。モノ自体は問題なく使えた。クリックポストを使うのは良いけど追跡番号を連絡しろと言いたい。
(※2)
#71のネジは#101のシャーシを#70のシャーシに固定するためにあるのだが、このネジが違うために固定どころか浮いてしまっていた。そんな状態なので#74のネジを取り外したのかもしれない。数多の「復活不能ジャンク品」の見せ場・・・無駄金ではなく先行投資と考えるようにしている。
(※3)
速度調整用の半固定抵抗は基板上にあるので開口部は不要。ここの開口はWM-DDでしか意味をなさなかったような。本来はシールが貼られていたはず。
動作確認
上記を修正して動作確認。
FFでのギア空転は全く発生しないのは初めてかも。「光造形」ギアのおかげか?
W&Fは耳計測でもイマイチな状態。再生するとコトコト音がするのでモーター~キャプスタンを確認&調整しないといけない。
(外装には傷も凹みもあるが、モバイル機なので気にしてはいけない)
駆動系の調整1(キャプスタン周り)
以下でW&Fを改善(最高の状態とは言えない)。
- キャプスタンホイールを掃除(抑え部品に使うネジロック材が溶けたのかホイールに付着していた)
- 調整用スクリュー(キャプスタンホイール抑え)とネジ(モーター位置調整用)を調整
- キャプスタンホイールのラバーを裏返しに
再生時にしていたコトコト音が消えたのは「ラバー裏返し」のおかげと予想。
駆動系の調整2(センターギア)
再生時のオートストップが作動しない。バラック状態での確認時は作動してたはずだが。そのうち再生時のテイクアップリールの回転が不安定になり、リール回転がすぐに止まってしまう状況になる。
調べてみるとセンターギアに取り付けた「光造形」ギアが空回りしていた。そういえば商品説明に「接着固定が必要かも」と書いてあった記憶。隙間にエキポシボンド(コニシのクイック5)を入れて接着させたら空回りしなくなり、結果としてオートストップも正常に作動するようになった。
この措置でW&Fはさらに良くなり、ほぼベストな状態になったと思われる(面倒なので計測はしていない)。ここでキャプスタンホイールのスクリューを再調整も実施(少し緩めた)。
テイクアップリールがキチンと巻き上げない事でテープテンションが安定せず、結果として走行速度も安定してなかったのだろう・・・WM-D6Cでも同じような現象があったような。
FFギア空転が発生してないのは今回使用した「光造形」ギアが要因の可能性もあるので、接着固定することになったのは残念ではある。長期的にどうかは不明だけど、奥まったところにあるので「紫外線による劣化」は無いはず。
再生音ノイズ問題
WM-DD33同様に再生時に時々ノイズがでる問題が発生。
まず、ヘッドホンジャックやボリュームの位置が偏っており基板が歪んでおり、その影響で近傍の電解コンデンサ(C110/210, 3.3uF, カップリング用途)が不良状態になっているのでは?と予想。取り外して計測してみると容量は問題ないがESRが8Ωと高い。サイズが合うものが、何かの基板から剥がした2.2uFのものしか無かった。こちらもESRは4Ωと良くはないが、この辺りの容量の電解コンデンサであれば標準的という話もある。ついでに各部材の位置の偏りを正す(基板の歪みを抑える)よう小細工。
ノイズ発生頻度は低下したような・・・気のせいか。
ヘッドホンケーブル近傍にiphoneがあるとノイズがでる場合があるが、どうやら本体近傍にあってもノイズがでる模様。無線LANやBluetoothの電波を拾ってるのだろうか。色々試行した結果、プリアンプ回路近傍が外部ノイズを拾いやすい模様。プリアンプのIC(BA3304F)を使った回路は外部ノイズに弱くなるのか?
プリアンプ回路部を(GNDにつなげた)アルミシートで覆うようにしたがノイズ除去には至らない。逆に、筐体を手で持つだけでノイズが出るようになったので元に戻す(筐体とGNDを短絡すると宜しくないようだ)。スマホを遠ざける運用で対応するのが良い模様。さらにはソフトケースに格納して使うべきなのだろう。
海外サイトで、プリアンプIC近傍の C102/202(10uF, タンタル, プリアンプのバイパス用途らしい)は交換した方が良いというのを見つけた。DD2とDD3のタンタルコンデンサは経年でダメになると(DD33はその反省で電解コンデンサになったという予想)。そして低周波領域をフラットな特性にするためにはデータシート通りの47uFにする必要があるらしいが、(DD2はともかく)DD3はスペース的に無理。
コンデンサ周りは気が向いたら変更していく予定。C102/202については、何かしらの理由があって10uFにしたと思いたいし、正直なところ特性が変化しても耳が追い付かないと思う。タンタルを使うのなら耐圧の高いものに変えた方が良いのかもしれない。
現時点での結論
WM-DD33でも同じプリアンプICを使用しており、やはりノイズ問題があった。未検証であるが、やはりこのIC周りの回路が問題なのかもしれない。DD2で同じようなノイズ問題があったか?記憶にない。
当時は音楽を聴きながら本を読む事はあっても、スマホのような電波を発する機器を使う事は無かった。「時代に合わない」ということかもしれないが、さらに古い製品であるWM-DDでは発症しない・・・。
「光造形」ギアについては、もう1個購入して、時おりFF空転がおきるWM-DDにも試してみようと考えている。メルカリかヤフオクのキャンペーンなりで安価に入手可能な時になってからだが、以前使用していた洋物よりも良い可能性はある。さすがに「射出成型」という物は値段が高く、試す気にはならない。