samehada_restartの日記

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マイクロプラグ変換ケーブルの作成

プライドが高いだけの奴は何をやっても成功しない。何も成し遂げてないのに、その自尊心から周囲を見下す。そのうち「あいつは口だけだ」と誰からも相手をしてもらえなくなるのだから成功するわけがない。

かつての軍隊的な教育を肯定する気はないが、学生時代に自尊心を叩き潰される経験をしないとダメなのかな?とも思う。社会人になると「一銭にもならないプライドなぞ捨ててしまえ」と言われた事の意味が良く理解できる。しかしながら社会人になってから言われても修正できないだろう。

ISO盲信者のせいで何でもマニュアル化すれば良いという風潮がある。「マニュアルがないと何もできない」人間を量産してる事に彼等が気付く時が来るのだろうか。ISO対応やマニュアル化した事を実績として出世した経営幹部ほど役に立たないものはない事は断言できる。

 

SONYのマイクロプラグのイヤホンについて

1990年代に独自規格で囲い込みを試みるべくSONYが推していた規格。そして上手くいかないと分かって簡単に捨て去られた規格でもある。これを知る人は後のメモリースティックの顛末も予想できたという。

一時期のSONYのポータブル機は、このマイクロプラグを使用したイヤホンを使う前提の製品ばかりだった。カセットテープ用ウォークマンはともかくとして、CDPやDATは未だ使用するだけの価値があると思うので困った話である。

肝心のイヤホンの方は長期間放置されたのか経年かは不明だが、使えなくなっているものが多い。その殆どがドライバの故障か断線の模様だが、イヤホンとして復活させる価値が無いという悲しい現実がある。自分自身は、良い音だと全く思わない。

 

マイクロプラグイヤホンの転生

殆どが付属品として用意されたものだから、コストのかかってない製品ばかりであるのも事実であろう。古いオーディオ機器を愛用する人の多くは、お気に入りのヘッドホンやイヤホンを持ってるわけで、結局のところPC-MP1Sのような変換ケーブルの方が重宝する。

ジャンクのイヤホンから変換ケーブルを作る場合、マイクロプラグ部分をそのまま使用してステレオミニジャックを取り付けるのが簡単であるが、そのような対応ができない場合もある。

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写真は入手したジャンク品ウォークマンに付属のイヤホン(MDR-E741)。恐らくはケーブルを引っ張って抜くのが常習だったのだろうか、マイクロプラグの付け根部分が残念な状態に(イヤホン部も酷いが本題ではない)。音は割れる事もなく左右ともに普通に出たが、マイクロプラグの付け根付近を曲げると音が聞こえなくなるので断線しかかってる模様。

 

マイクロプラグ端子部の分解

このイヤホンを変換ケーブルに作り直す。マイクロプラグ部分を分解&再構築する方式を採る。

 

カバーの取り外し

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マイクロプラグを覆ってるカバーは接着されてるわけではないので、比較的簡単に取り外す事が可能。
このカバーは再利用したいので、元々ある継ぎ目?に沿って綺麗にカットする。

 

充填樹脂の除去

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黒い樹脂を除去する。
除去したらハンダ付けされてる配線を取りはずす。配線に含まれる白い芯線?が厄介。

マイクロプラグの配線取付個所は(知ってる限りでは)2パターンあるが、これは中央部が Lch で周囲3方向に Rch と GNDx2 が配置されてるパターン。もう1つのパターンは、中央部がなく周囲4方向に端子が配置されている。

 

ケーブルをカットする場合、件の白い芯線への対応のために切断力のあるニッパー(例:FUJIYAのNo.770)を使用している。カッターを使う場合はOFLAの特専黒刃(鋭角研磨)が良い。カッター刃の方はすぐに切れ味が落ちるけど、それだけの価値がある。

 

変換ケーブルの作成

準備

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マイクロプラグに取り付けるステレオミニジャックについて、今回は数年前に秋月だったかで購入した携帯電話用?の音声ケーブルを使用する。ステレオミニジャックがスマートな形状の物を使いたいと探していた時に見つけたもの。ミニジャック側の配線処置をしないで済むのも利点。

 

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ケーブル長10cm程度でカットし配線処理。失敗した場合を考慮して、実際は12cm程度になってしまうが。銅線の中にエナメル(らしき)芯線が入ってるが邪魔なので、選り分けて芯線をカットして除去。

銅線自体には周囲に絶縁処理がされてるので、カッターの刃を立てて何度かなぞるようにして先端の絶縁膜を削り取る。
カッターの切れ味が良すぎると銅線を切断してしまうこともあるので、上に記載した特専黒刃は不向きである。

 

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絶縁膜を削り取った場所にハンダを付ける。切断面を含めておけば、削りが甘くても誤魔化す事が可能。

テスターで導通確認しておく。

 

配線

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マイクロプラグにハンダ付け。ケーブル側につけておいたハンダだけで、追いハンダは不要。

テスターで混線してないことを含めて確認。

 

補強(充填)

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樹脂の代替えとしてエキポシ系接着剤を使用する。ハンダした箇所の補強が主目的なので、無理して元の形状のようにする必要はない。膨らみすぎるとカバーを綺麗に取り付けられなくなるので注意。

強度の高い接着剤を使うのが理想であるが、凝固速度の遅いものを使うと形状維持が難しくなる。今回のような見えない場所にはコニシのクイック5を使っている。見える場所や強度を重視する場合は同社のEセットを使っているのだが、固まるのに数時間がかかる。

 

カバーの取付

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最後に上で取り外したカバーを付ける。カバー裏側と切断面に接着剤を塗る(コニシのEセットを使用)。

斜めになったり歪んだりしないようにするのだが難しい。接着剤がある程度固まるまでは輪ゴムで軽く括って切断部が開かないようにしておく。はみ出たものは無水アルコールで適宜ふき取る。ある程度固まったら円形を維持するために熱収縮チューブで包んで完全に固まるのを待つ。

カットした事が分からなくなるようにするのが理想であるが、ケーブルの太さの違いなどの理由で上手く行くことは稀。どうしようもない場合は熱収縮チューブをカバーにするのだが、その方が強度的には良かったりもする。

 

イヤホン側も

ステレオミニプラグと余っていたイヤーパッド部を取り付けて「取り敢えず」使えるようにした。

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耳に当たる部分のラバーは、以前他のジャンク品から取り外しておいたものを使用したが、メッシュ状のカバーは無い。そんなわけで「試しにやってみた」の域をでないため、ステレオミニジャックの内部と付根の充填補強はしていない。

 

転生後

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イヤホン側は・・・ドライバー部の構造的な問題で、経年劣化でモコモコ音になるという噂。ジャンク品の動作確認用程度で、無理して常用する価値はない。