samehada_restartの日記

過去調査資料などを残す場所

WM-D6のピンチローラー周りの見直し~

先月末から仕事のトラブル対応に追われ、12月に入って風邪をひき、ここにて色々と。

12/23

午前中に出かけていたら、マンションの管理人から連絡があり、玄関外の湯沸器の入ってるユーティリティから水漏れしてるとのこと。

家に帰ってみると玄関内も水浸しになっていた。床下から水が溢れ出してる。管理人が「業者(大阪ガス)に連絡して対処してもらえ」と言うが、中も水浸しであり湯沸器の問題では無いのでは?という話になり、取り敢えず水道の元栓を閉じるも解決せず。管理人が管理会社に連絡して業者を手配してくれた。水回りは悪質な業者が多いらしいので助かる。

土曜日だったこともあり昼過ぎに業者が到着。調べたところ湯沸器からの温水供給管が途中で亀裂が何かで水漏れしている模様。修理対応は12/25(月曜日)になるとのこと。湯沸器は停止、冷水しか使えない状態で週末を過ごすことになった。


12/24

風呂も浴室乾燥も床暖房も使えないという地獄。トイレが使えるのが唯一の救いである。

暖冬とはいえ寒い。クリスマスの浮かれた気分は皆無である。1週間後ろにズレてたら年末年始で大変だったので、ある意味で良かったともいえる。


12/25

朝一で業者が来る。

配管の位置が解らない。施工図面は全くアテにならない。何処かで床下から天井に上がってる模様なのだが、実地調査にも限界があり場所が解らない。業者があたりをつけて壁を一箇所開ける(壁材をカットする)も何も出てこずハズレ。

業者が別の場所を提示して其処を開けたいと言うが無意味な予感がしたので、こちらが予想した期待できる場所を提案。業者も納得し開口する事になるも、納戸という名目の部屋なので荷物だらけ&タンスを動かす必要がある。

業務と一緒に荷物をどかし、開口したら見事にビンゴ。天井に上がる配管が見えて、避けて水漏れしてる個所も見つかった。

業者が間違えて違う配管をカットしたりと色々あったが...ともかく無事に水漏れは治まり温水が使えるようになった。

しかし漏れ出した水は乾くのだろうか。下の階の人は不在だったようで、管理人や管理会社が連絡してるのだが、何も言ってこないので下階への漏水は無かったのだろう。
配管修理費はマンション管理組合の保険で対応できるらしいが、連絡がないのでよく解らない。年明けまで後回しなのかもしれない。壁に開けられた穴をどうするか...取り敢えず管理会社にリフォーム相談するのだけど...壁紙を貼り替えるにしても、タンスとクローゼットがあるから大変だ。もう考えるのもシンドイから此方も年明けに相談することに。諸事情により、何かするにしても4月以降になるし。

 

12/29

先日、内部のベルトやラバー部材を総替えしたWM-D6であるが再生音が安定しない。時々音がこもる症状がでる。

ピンチローラーの経年劣化が原因と予想。元々はジャンク品を入手して中のラバー部材やCP基板を交換した物なので詳細な来歴は不明。ベルトは汎用品に交換されていたようだが、ピンチローラーは交換された事が全く無いと思われる。ローラーの表面を削る方法もあるが、経年劣化で相応に硬化してるだろうし誤魔化しという感が強く好きではない。

交換用のピンチローラーはベルトと同時に先日購入してある。ベルトと違い、ピンチローラーは何処で買っても同じような気がする。

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上面の外装を全て外していく。サービスマニュアルを見て作業すれば、さほど難しい作業では無いがポイントは2つ。

1つ目は上面カバーの両面テープ。ヘッドやピンチローラーの上あたりにテープがあるのだが、これが粘着力を維持してるとカバー取り外し時にカバーを曲げてしまう可能性がある。

もう一つはローラーの回転軸で、これはラジオペンチ等を使って押し込めば反対側から簡単に抜くことができる。但し、力技になるのでピンチローラ部品のフレームが曲がりやすい。

無事ピンチローラを交換するも、再生速度が安定しなくなる。リールがリッド窓に当たってる?リールを少し押し込んでみたら症状が治った?...(この時点では)よくわからないまま。

 

12/30

使用するテープにもよるが、音がこもる事がある...要は症状は治ってないと。観察してると、音がこもるタイミングではキャプスタンのところでテープが進行方向に対して横ズレして戻るのを繰り返している。

ピンチローラーの押し付けが弱いのか?ともかく再び分解することに。

 

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このローラ下にあるバネが弱い?
取り敢えずピンチローラーの、フレームのバネを引っ掛ける場所(突起)を反対方向に曲げて、バネの復元力が強まるように脳筋的対処。

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安直な処置であったが、テープの横ズレ症状は治った模様。

そういえば「振動に弱いな」「ピンチローラー辺りを上から軽く叩くと音が揺れるな」と感じていた事を忘れていた。ひょっとして当初の音こもりの原因はコレだったのか?

自分自身の(少ない)経験を思い返すと、ピンチローラー交換で良い結果を得られた記憶は全く無い。せっかく購入した部材を使えたので良しとする。

 

ついでに簡単にテープパスを確認。耳計測しながらアジマス調整ネジを弄ってみるが、ネジを緩める方向の調整が効かない。ネジ下の板バネが途中から跳ね上がらない模様。

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これはネジ周りを少し弄っていたら治った。ネジ回転位置固定用のボンドが原因だった模様。ユーザーがアジマスを弄る事なんて想定してないのだろうけど、雑な塗り方に見えてしまう。

 

暫くは様子見である。

カセットデッキの性能は色々な要素が絡み合うので難しい。消耗品的性質を持つ部材を交換したところで、注油だのグリスアップだのとしたところで、「完璧な状態」なんて言葉を軽々しく使えるものではない。だから面白いと言えるけど、自分の物だからアレコレと出来る訳で、他人の物では無理。

たとえ、専用テープ(10kHz以上)とオシロスコープを使ってアジマス調整しても自信は持てない。オシロスコープのリサージュが綺麗に出てる画像は、低周波数のテープを使ってる可能性が高く信用できない。まあ、年齢とともに厳密に調整しても無駄になるのだけど。

 

追記(2024/5/9)

再発

再発したのでピンチローラを(取り外して復旧処置したものに)戻してみるが状況は改善せず。どうやらピンチローラの問題ではない模様。

あれこれ考えながら、RV601からRV302に向かっての基板端の何もないところを触ると速度が揺れる。FG線を再ハンダしたり基板上の汚れ(フラックスの残渣)を取り除いてみるが変化なし。

少し調べてみる。

https://www.tapeheads.net/threads/sony-wm-d6-fluctuating-speed-during-the-playback.99574/

・CP601 ... 時々早くなる事がある?
・C607(タンタル0.15uF/35V) ... 再生時に最初は速く、数秒で標準速度になる?

ひとまず、CP601の外皮交換&C607の交換を試してみることに。
CP601の外皮除去で済めばよいが、eBayでの基板手配は(円安の今は)避けたい。C607については、基板のその辺りを触ると音揺れするので問題があるのかもしれない。


処置

CP601の外皮を除去。
C607を交換...取り外してテスターで計測した限りでは容量に問題は無かったが、せっかく取り外したので交換。

ついでなので、CP302,303を以前eBayで購入してあった代替え基板に交換。取り外したものは外皮除去して予備として置いておく。

 

結果

今のところ症状は出ていない。

また再発するようであれば Q603(MOTOR DRIVE)の交換をしてみる予定。若松通商で 2SB739 (2SB739-Cとある)を見つけたので購入・・・イマイチ信用できないのが正直な気持ちであるが、他では見当たらないし、この手合いのトランジスタは無くなりつつあるので代替品を探すのも面倒。

 

とある経緯より

CP基板は熱に弱く脆い。特にCP602はピン数が多く、ハンダ処理時は要注意。

 

マイクロプラグ変換ケーブルの作成

プライドが高いだけの奴は何をやっても成功しない。何も成し遂げてないのに、その自尊心から周囲を見下す。そのうち「あいつは口だけだ」と誰からも相手をしてもらえなくなるのだから成功するわけがない。

かつての軍隊的な教育を肯定する気はないが、学生時代に自尊心を叩き潰される経験をしないとダメなのかな?とも思う。社会人になると「一銭にもならないプライドなぞ捨ててしまえ」と言われた事の意味が良く理解できる。しかしながら社会人になってから言われても修正できないだろう。

ISO盲信者のせいで何でもマニュアル化すれば良いという風潮がある。「マニュアルがないと何もできない」人間を量産してる事に彼等が気付く時が来るのだろうか。ISO対応やマニュアル化した事を実績として出世した経営幹部ほど役に立たないものはない事は断言できる。

 

SONYのマイクロプラグのイヤホンについて

1990年代に独自規格で囲い込みを試みるべくSONYが推していた規格。そして上手くいかないと分かって簡単に捨て去られた規格でもある。これを知る人は後のメモリースティックの顛末も予想できたという。

一時期のSONYのポータブル機は、このマイクロプラグを使用したイヤホンを使う前提の製品ばかりだった。カセットテープ用ウォークマンはともかくとして、CDPやDATは未だ使用するだけの価値があると思うので困った話である。

肝心のイヤホンの方は長期間放置されたのか経年かは不明だが、使えなくなっているものが多い。その殆どがドライバの故障か断線の模様だが、イヤホンとして復活させる価値が無いという悲しい現実がある。自分自身は、良い音だと全く思わない。

 

マイクロプラグイヤホンの転生

殆どが付属品として用意されたものだから、コストのかかってない製品ばかりであるのも事実であろう。古いオーディオ機器を愛用する人の多くは、お気に入りのヘッドホンやイヤホンを持ってるわけで、結局のところPC-MP1Sのような変換ケーブルの方が重宝する。

ジャンクのイヤホンから変換ケーブルを作る場合、マイクロプラグ部分をそのまま使用してステレオミニジャックを取り付けるのが簡単であるが、そのような対応ができない場合もある。

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写真は入手したジャンク品ウォークマンに付属のイヤホン(MDR-E741)。恐らくはケーブルを引っ張って抜くのが常習だったのだろうか、マイクロプラグの付け根部分が残念な状態に(イヤホン部も酷いが本題ではない)。音は割れる事もなく左右ともに普通に出たが、マイクロプラグの付け根付近を曲げると音が聞こえなくなるので断線しかかってる模様。

 

マイクロプラグ端子部の分解

このイヤホンを変換ケーブルに作り直す。マイクロプラグ部分を分解&再構築する方式を採る。

 

カバーの取り外し

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マイクロプラグを覆ってるカバーは接着されてるわけではないので、比較的簡単に取り外す事が可能。
このカバーは再利用したいので、元々ある継ぎ目?に沿って綺麗にカットする。

 

充填樹脂の除去

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黒い樹脂を除去する。
除去したらハンダ付けされてる配線を取りはずす。配線に含まれる白い芯線?が厄介。

マイクロプラグの配線取付個所は(知ってる限りでは)2パターンあるが、これは中央部が Lch で周囲3方向に Rch と GNDx2 が配置されてるパターン。もう1つのパターンは、中央部がなく周囲4方向に端子が配置されている。

 

ケーブルをカットする場合、件の白い芯線への対応のために切断力のあるニッパー(例:FUJIYAのNo.770)を使用している。カッターを使う場合はOFLAの特専黒刃(鋭角研磨)が良い。カッター刃の方はすぐに切れ味が落ちるけど、それだけの価値がある。

 

変換ケーブルの作成

準備

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マイクロプラグに取り付けるステレオミニジャックについて、今回は数年前に秋月だったかで購入した携帯電話用?の音声ケーブルを使用する。ステレオミニジャックがスマートな形状の物を使いたいと探していた時に見つけたもの。ミニジャック側の配線処置をしないで済むのも利点。

 

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ケーブル長10cm程度でカットし配線処理。失敗した場合を考慮して、実際は12cm程度になってしまうが。銅線の中にエナメル(らしき)芯線が入ってるが邪魔なので、選り分けて芯線をカットして除去。

銅線自体には周囲に絶縁処理がされてるので、カッターの刃を立てて何度かなぞるようにして先端の絶縁膜を削り取る。
カッターの切れ味が良すぎると銅線を切断してしまうこともあるので、上に記載した特専黒刃は不向きである。

 

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絶縁膜を削り取った場所にハンダを付ける。切断面を含めておけば、削りが甘くても誤魔化す事が可能。

テスターで導通確認しておく。

 

配線

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マイクロプラグにハンダ付け。ケーブル側につけておいたハンダだけで、追いハンダは不要。

テスターで混線してないことを含めて確認。

 

補強(充填)

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樹脂の代替えとしてエキポシ系接着剤を使用する。ハンダした箇所の補強が主目的なので、無理して元の形状のようにする必要はない。膨らみすぎるとカバーを綺麗に取り付けられなくなるので注意。

強度の高い接着剤を使うのが理想であるが、凝固速度の遅いものを使うと形状維持が難しくなる。今回のような見えない場所にはコニシのクイック5を使っている。見える場所や強度を重視する場合は同社のEセットを使っているのだが、固まるのに数時間がかかる。

 

カバーの取付

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最後に上で取り外したカバーを付ける。カバー裏側と切断面に接着剤を塗る(コニシのEセットを使用)。

斜めになったり歪んだりしないようにするのだが難しい。接着剤がある程度固まるまでは輪ゴムで軽く括って切断部が開かないようにしておく。はみ出たものは無水アルコールで適宜ふき取る。ある程度固まったら円形を維持するために熱収縮チューブで包んで完全に固まるのを待つ。

カットした事が分からなくなるようにするのが理想であるが、ケーブルの太さの違いなどの理由で上手く行くことは稀。どうしようもない場合は熱収縮チューブをカバーにするのだが、その方が強度的には良かったりもする。

 

イヤホン側も

ステレオミニプラグと余っていたイヤーパッド部を取り付けて「取り敢えず」使えるようにした。

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耳に当たる部分のラバーは、以前他のジャンク品から取り外しておいたものを使用したが、メッシュ状のカバーは無い。そんなわけで「試しにやってみた」の域をでないため、ステレオミニジャックの内部と付根の充填補強はしていない。

 

転生後

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イヤホン側は・・・ドライバー部の構造的な問題で、経年劣化でモコモコ音になるという噂。ジャンク品の動作確認用程度で、無理して常用する価値はない。

 

研磨日記

ヨドバシカメラさん、着日指定で発送するのは止めてくれ。あえて「日付指定なし」にしてるのに、なぜ着日を指定して発送するの? 結果として郵便局に2日間据置となり、郵便局にも迷惑な話だと思うが?

 

WM-D6Cのリッド窓

数年前の話。WM-D6Cのリッド窓を磨こうとして、アクリサンデー研磨剤と間違えてアクリル用接着剤を付けてしまい、エライコッチャ状態になってしまった。ダメ元でアセトンを使って状況悪化。我ながら見事なアホ行動である。

見た目だけの話なのだが、海外で代替品が売られていて購入するか悩んでいた。自前で作れるだろうけど面倒が多いのは分かりきっている。

最近、アメリカの方で例のSONYシールを真似た偽物とのセット品を見つけたので購入してみた。

 

復活試行

アメリカから届くまで時間があるので、エライコッチャ状態のものを自力で復活できるか試してみることに。

先ずは金ヤスリ(上目45)で荒削りして表面を整える。接着剤やアセトンで生じた凸凹を均して全体がキズだらけになるように。

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紙ヤスリで水研ぎ。#120〜2000を適当な間隔で順に使用。写真だと綺麗に見えるし、触り心地も良いのだけど、透過性は良くない。
※ここでヨドバシが勝手な着日指定をしたことで作業が止まる。

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ヨドバシから高番手のヤスリやコンパウンドが届いたので再開。#3000 → 4000と研いでコンパウンドで磨く。模型用コンパウンドを使用したが、次の研磨剤での磨きがあるのでコンパウンド処置自体が不要だったかも。

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〆はアクリサンデー研磨剤で磨く。

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透明感も十分あり良い感じに仕上がったので、購入品(この時点では届いてない)を使わずにコレを戻すことにした。

 

購入したアクリル窓とシールが届く

アクリル製品なので関税がかかるかとヤキモキしていた(結果として関税は発生せず)。インボイスの記載内容によるところもあるが、法務局や陸運局や税関といったところは担当者の匙加減次第なので、運が良かっただけかもしれない。

 

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何故かシールが3枚入っていたが、サービスか?

上で磨いた窓を本体に両面テープ(ナイスタック03:強力タイプ)で貼り付け。その辺で入手可能な事務用のものだと粘着力が弱くてダメだし、超強力と謳われるモノはテープの厚みのため使えないしで、案外と制約がある。

最後に偽シールを貼って完了。悪くはない。

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結果だけ見れば、窓を購入する必要は無かったのだが、保険として手配していたから自己修復を試行&経験を積めたわけで、そういう意味では・・・と言いたいが、頻繁に行う作業でもないし無駄遣いである事は否定できない。ヤスリや研磨剤の方が圧倒的に安価だし。

そのうち使うこともあるのか?オクに出して資金回収するのが正解のような気がする。

 

メモ

Professionalを冠してる機種とDD系の比較。国内販売限定で個人的見解による音質の順番。機種, 再生周波数, W&F値

  1. WM-D6/D6C, 40-15kHz, 0.04%
  2. WM-DD/DD2/DC2, 40-15kHz, 0.06-0.07% 
  3. WM-DD9,  40-20kHz, 0.13%
  4. DX100, 20-18kHz, 不明

DD9は再生方向により差が出てしまう。DX100は論外で、他の廉価機と大差ない。何れも過大評価の感。

年齢的なものもあり、12kHz以上を識別できなくなってきてるので周波数特性は全く意味がないものになっている。そもそも、周波数特性に拘るのならハイレゾ機器を使えば良く、今さらカセットテープを使う必要は全くない。

数値を出すと説得力が増すから、当時の殆どの評論家は提灯記事を書くのに周波数特性を出していたのだろう。それを嬉々として引用するネット界隈の妄想記事と「ステレオ時代」。

妄想するのは勝手にやればよいが、他者に嬉々&自慢気に伝えることもあるまいて。

 

WM-D6 のラバー部品を交換

WM-D6もD6C同様にラバー類を全交換(ピンチローラーを除く)。

ミュートスイッチを掃除するために開腹して掃除して戻すと再生音がこもるようになった。音歪みの要因となるミュート回路は交換済みであるし、音の歪み自体はない。例の如くリールに触れると解消するので、やはりアイドラのゴムを交換しないとダメと判断。

・アイドラ...再生時のリール駆動用
・プーリー...FF/REW時のリール駆動用

アイドラが滑ってリールの引っ張りが弱くなり、キャプスタン上でのテンションのバランスが悪くなり、ヘッド上のテープ走行が宜しくない状態になる、と。どんなに良いヘッドを使おうが走行系がダメだと意味がない(だからW&Fが重要視される)という事を改めて思い出す。

ついでにプーリーとキャプスタンホイールのゴムも交換したが、外してみると相応に劣化していた事が良くわかる。殆どの人達は、リールベルトを交換しても、この辺のゴム材を交換しようとしない。恐らくは新品の時からの物だと思われる。

 

基板の空中配線の量を見て勘違いしやすいが、部材さえ入手できればメンテナンス自体は比較的簡単である。破損や故障だと面倒だけど。

WM-D6のカバーはDCプラグ用の開口が無い。USB-C(PD)で9V取得し、6Vに降圧して使っている。ACアダプタは邪魔。電源の違いを聞き分けられるような耳は持ち合わせてないので問題なし。

 

オシロスコープ TDS-210 の修理

久方ぶりに手持ちのポータブルDATの動作確認をしていたら、そこからマイクロプラグ変換ケーブルの再構築へと派生。昔作った変換ケーブルはマイクロプラグ部を分解再構築していたのだが配線処置が難しく納得できるものではなかったので売却処分し、新たに作り直すことに。そして、その材料入手で DISCMAN や WALKMAN へと飛び火するという藪蛇状態。

ヤフオクを見ていて、思わず「買ってはいけない」をしたくなるような出し物もあったが、愚痴になってしまうので自重。

今は WM-DD2, WM-DD33 といった DD機 を動かして遊んでいる。いずれも円高時に個人輸入して修理したもの。数年放置していたが問題なく動く。センターギアの割れ対応を補修でなくギア交換で対応したことが良かったのだろう。当時からWM-2含めてギア割れ補修品が出回っていたけど、おそらくは再発してるのでは?と予想。

各部材に相応の歪みがあるのか、FF/REWの動作音がうるさかったり、FF終了時にギアが空回りして自動停止できなかったりする事もある。しかしながら、その再生音が全てをカバーする。DD機は廉価オートリバース機では得られない至福の時間を提供してくれる。

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一時期、中古のDATテープを探して入手していたのだが、やはり自身の環境とパスが合わない物もある。
この中古テープ探しは、他の人の嗜好を知りたいという下衆な考えもあるのだが、元々は、1995年頃にNHK-FMで流れていた 小澤征爾ウィーン・フィルアルプス交響曲ザルツブルグ音楽祭か?)の録音テープを探すことが目的だった。
このアルプス交響曲はライブ録音だったと思うが、ライブならではで、壮大にTrpが落ちていたり(疑惑であるが)となかなかに面白かった記憶がある。しかしながら、主ターゲットは一緒に放送された(はずの)プルチネルラ(組曲)である。当時、たまたま(DTC-55ESだったかで)録音していたのだけど、色々とあってそのテープを紛失してしまった。
なかなか見つからず半ば諦めていたのだけど、ウィーン・フィルでなく水戸室内管の録音だったのか?PhilipsからCDが販売されていたのを(今更)知ることに。

https://www.hmv.co.jp/artist_-オムニバス(管弦楽)_000000000065307/item_ビゼー:交響曲、ラヴェル:クープランの墓、パヴァーヌ、ストラヴィンスキー:『プルチネッラ』組曲、他-小澤征爾&水戸室内管(2CD)_6082215

中古品しか手に入らないで、元来のPhilips版の(単なる)CDを入手。リハーサル録音なんて要らないのだけど、丁度メルカリにあったもの。

聴いてみて、いかんせん古い話なので忘却の彼方であるが、違うような。演奏(楽器の響き)自体は良いのだけど。

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本題

TDS210。テクトロニクスの古いオシロスコープである。
数年前に中古品をオークションで入手したものである。校正が必要となるような使い方はしないので「校正なんぞクソ喰らえ」と。性能的には最近のものに数段劣ると思うが、その使い勝手の良さ(軽さ、ファンレスでの静粛さ、テクトロの操作性)で愛用していた。

この1~2年ほどは、色々と気力も失せ、使う事も無く放置していた。

2023年10月某日

TCD-D7のテープパス調整のために久しぶりに使おうとしたら、液晶がダメになっていた。ヤフオクなどに同じような症状の物が出品されたりするので、よくある問題なのか。

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※写真は取り外した液晶ユニット

取り敢えず、テープパスは「かろうじて見える」波形を見て適当に合わせた。しかしオシロスコープをどうするかという宿題ができた。

 

10月25日

滅多に使わない物に数十万円も払えないので中古品を探すことにした。けれどもRIGOLの安価な製品なら新品でも良いかも、と悩む。

そんな時に、AliExpressで TDS210/220 の交換用液晶が売られていることを発見。正直、AliExpressは持ってない物を出品したりする業者もいて信用できないので悩む。

結局、ダメ元で買ってみることに。評価の良さげなところから購入。約7400 円也。

 

10月31日

到着まで2週間以上かかると想定していたが、1週間ほどで届いた。
船便+シンガポール経由でなく、航空便でダイレクトに関空に。国内配送はヤマト運輸が担当。郵便局が国際郵便物を扱うと不在持ち帰りがデフォルトになり面倒が多いから助かった。

さっそく交換してみる。コントラスト調整用の抵抗(6.81kΩを4.51kΩ以下に交換推奨...よく調べるものだ)は交換しなくても、コントラスト調整はできるし視認性も問題ない。ただしコントラスト調整の範囲が狭い。

抵抗値を変更することにしたが、表面実装の抵抗を購入するのはもったいないので、手持ちの小型金属皮膜抵抗(10kΩ+1.8kΩ)を並列に追加して対応することに。理論値4.3kΩ。必要十分な範囲でコントラスト調整できるようになった。

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11月6日

ついでなので、BNCコネクタを交換することに。

以前、両チャンネルのBNCのハンダ脚が折れてしまい、導電性ボンドなどを使用して無理やり使っていた。今回、モノタロウで同形状のBNCが売られてる事に気付き、10%オフ日を待って購入。

www.monotaro.com

11月8日

BNCが到着したので交換。

導電性ボンドがカチカチに固まっていたり、はんだごてを500℃にしないと元のハンダが溶けなかったりと難儀したが、無事に交換完了。
BNC3つ全部ダメになってたと思ってたが、外部トリガ端子は無事だった模様。外部トリガ入力を使わないこと&交換作業が手間という理由で同端子の交換は行わず。

改めて「きちんと見える」画像を見ながらTCD-D7のテープパス調整を実施。
コツは、他所様が録音したテープは使用環境が見えないから、その再生状態を追及しないこと。あと、SONY製品での録音については、新品時に録音したテープ以外は信用しないこと。

残すは折れてるハンドル。以前パテで治したけど、今回分解するためにハンドルを外そうとしたら...パテがカチカチになり柔軟性が無くなっていたのか再び折れてしまった。代替品は無さそうであるし必須ではないので、おそらく治る事は無いだろう。

 

結局・・・

ともかく新しくオシロスコープを入手することはやめた。使用頻度と目的を考えるとTDS210で必要十分である。

DATのテープパスを調整するには不満があるが、新しいものを用意してもデジタルオシロである限りは満足できないような気がする。
巷にあふれてる調整時の写真画像はアナログオシロのもので、デジタルオシロでは同じような綺麗な画像を表示するのは無理と思われる。1~2秒蓄積表示させたりと小細工をすれば近い画像を表示はできるのだけど、それで良いのか?という疑問。

ハンドルは我慢すれば良い。

 

WM-D6C と ウィンダム・ヒル CD サンプラー そして WM-D6

風邪をひいて久しぶりに寝込む。症状的にはインフルエンザそのものだったが、検査結果はインフルエンザもコロナも陰性だった。コロナ禍になって皆がマスクをしていた時は風邪をうつされるリスクがかなり減っていた。最近は電車の中でマスクなしで大声で喋る連中が戻ってきており、注意していたつもりたが防げるものではない。反マスクとか反ワクチンとか主張するのは勝手だが、周囲に迷惑をかけるなと。

 

本題

高校1年の夏頃の話。カセットウォークマン(厳密にはAIWAのカセットボーイ)が欲しかったが「学生の本分(学業)には必要ない」と所持を認めようとしない親。「塾(高校受験で失敗したので半強制的に予備校に行かされていた)の授業を録音する」と説得して買う事に。そんな理由なので購入を認められたのはモノラル録音用途の安価なもの。もちろん不満だらけであるが、お年玉などは何かと理由(今思えば理不尽極まりない理由)をつけて取り上げられていたので自前で買うだけの資金はない。

その後、親が知人(職場の人)に説得されたのか、経緯は不明だが件の知人からWM-D6Cと「ウィンダムヒルCDサンプラー」というラベルの貼られたメタルテープを1ヶ月ほど貸してもらう事になった。

そして見事に洗脳された。親子揃って。

学校の定期試験で良い成績を取った褒美やお年玉で購入資金を調達。高校1年の正月明けにWM-D6Cを買おうと秋葉原のナカウラに行くが、「餓鬼の冷やかし」と取られたのか残念な対応をされた。結局、行徳にある店で(47000円くらいだったかで)購入。在庫を持たない店で、ナカウラの店員が「バッタ屋」と格下扱いしてた店である。それ以来、ナカウラは大嫌いになり近寄らなかったが、いかんせん秋葉原駅前に複数店舗構えてたので非常に困ったのも事実である。ナカウラが潰れた時は「あんな店員がいる/いたのだから潰れるのは当然だ」という感想しかなかった。

テープの方は件の知人から譲って貰い(厳密には新品テープと交換)ずっと愛用していたが、コピーを取るもコピー共々ボロボロな状態になっている。新たに作り直したいが、元となる物が分からない。ウィンダム・ヒル レーベルにはサンプラーと称するベスト盤は複数存在するが「そのもの」は見つからない。曲名とアーティスト名を書いたインデックスを紛失しており、Youtubeを駆使して調べた事もあるが、1曲だけ分からない。

 

Windham Hill Records CD Sampler

先日、出張移動中に暇つぶしでスマホ検索していたら、当該名のCDが非売品として存在していた事、レア品なのか出物が少なく入手は難しそうである事を知る。ライナーノーツの写真がアップされており、それを見て収録曲も全て判明。

そのCDの入手が難しいのなら同じ物を作れば良い。極力購入枚数を抑えるべく収録曲が揃うように中古CDを探して入手した。

元から持ってたディスクもある。NightNoise (Something of Time) と Michael Hedges のベスト盤は自分で購入した記憶があるが、TRANSIT の入手経緯は記憶にない。たぶん何か目的のCDと一緒に落札した物だろう。
いくつかの曲は重複してるが仕方がない。件の非売品CDはレアだけど需要もないので見つかれば数百円で入手できたのだろうけど、今回は3500円ほど要した。
困りものなのが、一番有名であろう Love/Longing (「愛・あこがれ」, George Winston)。CDサンプラーに収録されているのは「Single Version」と称したシングルレコードにのみ収録されたバージョン。CDのものは「Edited Single Version」で、曲の末尾が違う。拘る必要性はないのだけど、末尾を少しカットしてフェードアウトして・・・完全なる個人の楽しみが目的だから問題はないということで。

これを元にサンプラーと同じ物をCD-Rで作る。もちろん「普通の」CDPで使いたいので圧縮なんてしない。30年越しの悲願達成である。
Windows Media PlayerでCDR書き込みするのだが、作成したCDRをポータブルCDプレーヤーで再生するとイマイチである(音飛び、途中でPauseみたいな状況に)。据置機だと大丈夫なのでプレーヤーの問題かなと考えるも、CDR書き込み速度を「最速」から「中速」に設定変更したら問題解消した。なぜか「低速」だと書き込みできないのが不思議であるが。

問題はカセットテープに落とせるかである。果たしてナカミチさん達がマトモに動くだろうか。


WM-D6C 

高校時代に購入したWM-D6Cは、重さと大きさで持ち運ぶのは辛く、授業の録音なんて糞食らえで、最後はAIWAの再生オートリバース機を購入し、そちらをメインに使っていた。まあ大学受験は成功したのだから文句は言わせない。大学時代にはCDを持ち歩いて聴くようになり、社会人になる頃はMD主体となりカセットテープそのものを使わなくなる。その後動かなくなり、当時は知識も手段も無く放置、数度の引越しのドサクサで何処かへ消えた。

今手元にあるのは数年前にオクで入手した物。たぶん汎用ベルトに交換されていた物と思われる。久しぶりに動かすと案の定ベルトがダメになりリールが動かない。汎用ベルトを使うのは好きではないので、eBayで売られてる専用のラバーセットを購入。注文した後に数年前に同じ物を購入して使わずに置いてあった事に気付く。そのうち使う時も来るだろう・・・そのころには今より円高になってるだろうが、それとは関係なく同じミスを犯しそうではある。

やったことを順番に書く。

  1. リール駆動用ベルトとカウンター用ベルトを交換。
  2. 組み直すと音が出ない。焦る&悩む。内部の録音スイッチをONにして強引に閉じてしまったのが原因だった模様。お気に入りの録音が部分的に消えてしまった。
  3. ヘッドホンのLchの音量が大きかったが、ジャックを掃除したら治った。Rchの接点が汚れていたと。
  4. 再生してると不意に音が籠る。停止して再開する、またはリールを少し手で押さえて離すと元に戻る。テンション不足?その根源と思われるアイドラのゴムを交換。ついでにプーリーのゴムも交換(構造が複雑で仕組みがよくわからない)。
  5. 再生時のテイクアップリールの回転が不安定、止まる事も。無駄と思いながらリール軸に注油するが、やはり解決せず。プーリーやアイドラにグリスが付いて滑っている可能性を考えて掃除。ついでにフライホイールのゴムを交換。よく判らんが症状が治まった模様。テイクアップリールのアイドラと接触する箇所が宜しくなかった模様。間に挟まってるフェルトみたいなのが一部飛び出していて、ゴミと間違えて穿ってしまった。後で飛び出してた箇所を押し込んだのだけど、この飛び出しが原因の可能性もあるのか。

フェルト素材のようなもの

結局、ラバーセットの全ゴム部品を交換したことになる。ベルト交換で以前よりも音が明瞭になったような?入手した時の音があまり明瞭でなかった記憶もあるけど、気のせいかもしれない。

メタルテープを聴きながらテープ種別を切り替えても再生音に変化が感じられない。?そういう仕様だったか?と回路図をザックリと眺めるがそんな事はない。イコライザ回路(CP302)がダメなのか?と思いながらノーマルやクロムテープを使うと変化が感じられた。年齢による聴力低下があるのは事実だが、そんなものだったか?

CP301やCP302の代替は以前eBayで購入してある。交換すべきか悩むが「WM-D6の方にこそ使うべき」と考えてやめておく(CP301に関してはこれが正解だった)。

 

そして WM-D6

此方は「D6Cよりも音が良い」と言われていたので、興味本位で中古ジャンク品を入手したもの。お約束の高速再生病持ちである。入手直後は症状が出なかったが程なく発症し、修理しようと材料を揃えるも面倒になり放置。

ついでなので此方も手をつける事に。D6C同様にリールもカウンターも動かないのでベルト(のみ)交換。高速再生病の症状が出ているので、そのままでは使えない。気力があるうちに治してみることにした。風邪をひく前で良かった。

方法は海外フォーラムの記載内容をなぞっただけ。ナカミチのオレンジキャップ問題、WM-DDシリーズのセンターギア破損対応の交換ギア、マランツCD-84の各種問題など、海外の方が有益かつ有効な情報が多い。日本の製品なのに。

海外フォーラム記事の記載通りにやっただけなので目新しい事は全くない。

  • アセトンはネイル落とし用に市販されてたものを使用。漬け込みは約2日間。
  • ICのピン間の残りカスを取り除こうと穿っていたらピンが基板から剥がれてしまった。総じてハンダが少なめな模様。アセトンで緩んだ可能性もある?ICピンには追ハンダしておく。
  • CP602上のトランジスタとFETは交換しなくても良いという話もあるが、確認してダメだった時に手間になるので交換。交換部品はフォーラム記載と同じ物を使用。
  • 念のため、カプトンテープで包んでから元に戻す。

CP602 FETとNPN(1個) 交換後

処置後に確認すると再生速度は普通の状態に。暫くは様子見が必要であるが、ピン剥がれのリカバリは問題なかったようだ。

それよりも「再生音が歪んでる?」と思っていたら、だんだんと音が小さくなっていく。これはミュート回路がダメなパターンと考えてCP301を交換。音量が戻り、歪みらしきものは無くなり良い音を鳴らす(=クリアな出力)ようになった。D6Cと比較してどちらが良いかは自分には判らない。

CP301 代替パーツ

 

ついでなので取り外したCP301をアセトンに漬けて外皮を剥がしてみた。このトランジスタを交換する方法もあるのだろうけど、代替品をeBayで買った方が楽である。円安もあり高値なのが悩ましいが。

取り外したCP301 (NPNx4, PNPx1, 焼付抵抗)

 

自分の持ってるD6Cが初期型かは未確認だが、CP301不良らしき挙動が現れたら、これを修理して使ってみよう。サービスマニュアルを見る限り、2SC1623と2SA812で良いみたいだし。上手くいく保証はないが。

 

 

RX-S40に手を出さない理由

普段から横着してる安全担当が居るところで事故がおこると、必要以上に大騒ぎしたあげく、業者なりに全責任を押し付けようとする。日常点検すらサボってるのを放置してたのを誤魔化すためかは知らないが、エネルギーを費やすタイミングが違うだろうと。

そういった連中に騙される経営幹部連中も大概である。具体的な名前は出せないが、本当に困った連中である。

 

本題

2度ほど挑戦したけど無理だった。ラジオ搭載やスライド機構によるスマートな見た目で良さげに見えるけど、「整備品」や「完動品」と称した出物が少ない(というか見たことがない)事には相応の理由がある。

  • チープな筐体素材に経年劣化
    プラスチック系の素材で簡単に割れてしまう。しかも、ツメ嵌め込みの個所が多く、やらかしてしまう可能性が高い。
  • スライド機構が煩わしい
    筐体の歪みや割れでスムーズに動かなくなったり。テープ出し入れ時に、スライド位置が安定せずイラつくことも。
  • ブーンという音
    カセット再生するとイヤホン越しに聞こえてくる。ラジオでは発生しないのでモーター辺り由来だと思われる。対策方法を探してるうちに次の理由で再起不能にしてしまった事もある。
  • フィルム基板
    フィルム基板上に部品がハンダ付けされているのだが、チップ部品が密集して配置されていたはず。よほどの達人でないと部品交換は無理ではないかと。
  • ラジオの存在
    メンテナンス性悪化要因の一つ。使わないけど使えるようにしておきたくなるのが人としての性。組み立て時の手間が増える。
  • ヘッドホンジャック
    2.5mmステレオミニジャックなので、専用イヤホンを持ってないなら変換ケーブルを用意する必要がある。専用イヤホンを持っていても如何せん古いので、かなり汚くなってるだろう。
    せっかくのDD機である。(仮に)マトモに再生できるのであれば「お気に入りのイヤホン」を使いたいであろう。
  • 電池交換
    チープな素材とスライド機構のおかげで交換しづらい。
    まぁWM-DD系の電池交換も、都度カセットテープを抜いて行う必要があるので面倒ではあるので、これ自体はさほどのマイナスポイントではない。
    ただし(会社としての方針なのだろうけど)こういう駆動系製品に単4電池を採用してると、開発・設計者のセンスを疑ってしまう。

「音の良さ」よりも「オートリバース」が重要視されていた時代の製品。性能よりも利便性が選ばれるのは世の常である。ましてやSONY, AIWA全盛期、さほど売れなかったのか情報が少ない。おそらくは修理しようとしても上手くいかずブログにアップできない人達も多かったであろうことが予想される。

SONYのWM-DD系の方が整備性は良いし、センターギア対策も確立されている。歪みによるFF/REW時の騒音などの問題はあるが我慢できるレベルであろう。もちろん保管状態が悪かったであろう物も多いのでハズレを引く可能性も高い。

安価であれば手を出すが、勝てる見込みのないギャンブルに手を出しても仕方がない。